紅葉スポットで有名な埼玉県新座市にある平林寺、拝観のみならず史跡や散策路もあり見応えは沢山、正式名称は「金鳳山 平林禅寺」その名の通り僧侶がストイックに修行する禅寺で、広大な雑木林の中にある建造物を静かに参拝する今の時世・時期にぴったりの場所です。
紅葉シーズンは11月下旬から12月上旬、僕は若干早めの11月15日にお邪魔しました。
拝観料は大人500円、敷地内での飲食や敷物は禁止で御朱印はありません、そしてびっくりなのが釣り銭無しの入場の告知。
僕は小銭を持ち合わせていなかったのでさっと千円札を出し前の参拝客の500円を指差し「これお釣り貰います」と言って何とか入場(>_<)いつからこんなルールになったのでしょうか?きを取り直して貰ったパンフレットのマップを片手に参拝そして散策です。(画像は平林寺公式H.P.より抜粋)
仏殿の奥からはお経が聞こえて来ます、基本は静かに参拝、あまり観光地然としてない場所である事も魅力のひとつなのかも知れません。
山門の近くにある「さざれ石」細かな小石が集まって大きな岩となったもの、職場でもみんなが一岩(丸?)となって働くのが理想なのかも知れませんが、そうはいかないのが現実、平林寺の近くには僕が日雇い仕事がイヤになり1年間だけ社員として働いた自称アットホームな会社があるのです。
求人広告にアットホームな会社を銘打つ会社は多いですが多くは地雷物件…経営者や一部社員の横行がまかり通ったり、一部の社員が目の敵にされたり色々なエピソードがあるかと思います、因みにこちらが職場の裏手の写真。社員数名が住み込みで働いており正真正銘のアットホームな会社、地雷物件どころか大型ミサイル並みの破壊力。
平林寺周辺の飲食店
残念ながらほとんど無いです…周辺で平林寺の雰囲気を感じながら食べられるお店といったらまずは総門(正門)向かいの竹映ですが、写真の通りお土産屋さんに若干のお座敷がある程度。
落ち着いて食事をするなら総門から徒歩約3分「手のべうどんたけ山」がオススメ
※追記:2020年12月30日をもって閉店となりました
ほぼこの店一択の為に混雑が予想されます、タッチパネルで整理番号をゲットして待機、時間帯のせいか僕はすぐに入店できました、しかし後ろのご高齢の客は操作が上手く出来ず、店員も「出来ないんですか!」と僕が聞いてもイラッとする言いぐさ(`ε´)
少しだけムッとしたのですがお座敷独り占めでご機嫌、注文は季節替わりのわっぱ飯御膳にしました。(税込:1520円)
季節のわっぱ飯は好物のいくらと鮭で益々ご機嫌(・∀・)ノ
うどんは冷or温の選択が可能、コシがありながら程良い柔らかさ喉ごしの良い絶妙な麺、今流行りの○○製麺みたいに妙にコシだけがある麺とは対極にあるうどん。
若干上げ底の(💦)わっぱ飯は上品な味で、久々にご馳走を頂いた気分になりました、茶碗蒸しは海老・銀杏・イカの三点入り、ヤッパリ千円以上のランチはイイですね~(貧乏人>_<)
川越街道沿いまで出ればチェーン店ばかりですが色々な飲食店があり選び放題です
この周辺は入社間もない頃、お昼に皆でハンバーグを食べに行った店もあります。
でも僕が行ったのは1回こっきり、どうやらこの食事(ランチ)は1軍のみのイベントらしく、2軍登録された僕には声なんぞかかる訳はありません、従業員は4軍で構成されていることを入社半月後に知りました、因みに4軍の仕事稼働日数は月10日前後…こんな扱いなら日雇いの方がマシじゃんと思った時には後の祭り。。
野火止用水からのアクセス
平林寺へのアクセスは、以下の各駅からバスで15分~20分程バス停【平林寺】下車すぐ
①「東武東上線志木駅南口」よりひばりヶ丘駅行き(1時間に3本程度)
②「東武東上線朝霞台駅南口」より東久留米駅行き(1時間に1~2本)
③「西武池袋線東久留米駅東口」より朝霞台駅行き(1時間に1~2本)
④「西武池袋線ひばりヶ丘北口」より志木駅行き(1時間に3本程度)
最寄り駅のJR武蔵野線「新座駅」からだと徒歩45分程の長距離。
駅から平林寺行きのバスは一応出ているのですが1日に僅か7~8本程度なので時間が合わない限りは難しいアクセスになります。
僕は新座駅から徒歩で野火止用水に沿って若干の遠回りしながら1時間超の徒歩ルートで平林寺に向かいました、川越街道を東京方面に歩きながら野火止用水歩道橋の手前で左折
すると一気に武蔵野を思わせる風景に早変わり
野火止用水は1655年に川越藩主である松平伊豆守信綱により野火止台地開拓のため必要とする生活用水確保を目的として作られた用水路です、川越に入府以来領内の新田を推進する一方で原野のままであった野火止台地の開拓に着手、農家55戸を入植させ開拓にあたらせます、しかし関東ローム層の乾燥した土地は飲料水さえまともに得られない土地で人々は困窮を極めました。
松平信綱は玉川上水開拓の功績により、三割の分水許可を幕府より得た後、野火止用水の開削にとりかかり完成させます。豊かな水を得た土地は発展、人々はこの工事に深く感謝して野火止用水のことを「伊豆殿堀」とも呼びました。
新座発展の礎を築いた用水路なのです
アットホーム会社は作業内容により人手が要らなくなったら、お昼前だろうが容赦なく帰らされます(因みに社長・常務を除く従業員はみんな仲良く時給)
3軍には軽度の知的障害を持った社員で皆の憂さ晴らしの標的になっている「え~ん(仮名)」の社員がおります。決して作業が出来ない訳では無く、むしろ特定の作業におけるスピードは社内でピカイチなのですが、それが評価される事も無く、本人より作業能力の劣る連中からも笑われて時には小突かれて泣く事も多いえ~ん。
お昼前に帰らされて家に帰れば親から「こんな早く帰って来てどうしたの?」と心配される事を懸念し、野鳥の森で夕方まで時間をつぶすえ~ん(ToT)
平林寺境内林、ここは(一応💧)国指定天然記念物なのです
この林は、東京近郊の武蔵野の雑木林が減少の一途をたどっている現在、広い面積にわたって自然の残されたものとして貴重であり、境内を中心とした約56haが、国の天然記念物に指定されています。
林は日本の代表的二次林であるコナラ・アカマツ・エゴノギ・クヌギ・クリ・イヌシデ・モヴソウチクなどの林から成っており、林床にはアズマネザサやクマザサが環境の変化に応じて優占しています。またここは県内平野部における屈指の鳥類生息地で、カケス・アカハラ・ルリビタキ・アオゲラ・キジバトなど約60種が、繁殖地あるいは中継越冬地として利用しているのが見られます。
金網の向こうは平林寺の敷地、とっても広大な平林寺なのであります。
平林寺境内
境内には冒頭の写真(山門・仏殿)の他にも色々な見所があります。
・旧半僧門
以前使っていた門らしいのですが門だけ残っていると何だか間抜けですね。。
・戴渓堂(たいけいどう)
中国から日本に書法や水墨画などを伝えた独立性易(どくりゅうしょうえき)禅師を祀ります、平林寺にも招かれたらしく鑑真と並ぶ渡日したカリスマ僧ですね。
・放生池(ほうじょういけ)
池の水はかつて野火止用水から通じていました、中の島は弁天堂があります。
・経蔵
~上皇陛下のお言葉~
皇太子妃殿下とご一緒に平林寺行啓の折にこのかけがえのない武蔵野の自然を訪ねる人々が生態系の微妙な仕組みに十分留意することによって美しく豊かな自然が保たれいつまでも人々を楽しませてくれるよう願っております
昭和52年(1977)11月10日
皇后陸下とご一緒に平林寺行幸啓の折に
急速な都市化が進むなか、都会の近くにあって広大な武蔵野の自然が残っていることは非常にありがたいことです。このかけがえのない自然は心の故郷でもあり多くの方々が癒しの場として訪れることでしょうこれからも皆さんの協力や努力によって武蔵野の自然を大切に守り育てていくことを望みます
平成21年(2009)11月26日
樹齢約600年を数える高野槇(こうやまき)2つの幹がアットホーム会社の社長と常務(姉妹です)を彷彿させます。
普段悪さばかりしている懺悔の為でしょうか?社長・常務姉妹は寺院巡りが大好きで特にお気に入りは長野県の善光寺、突発的に愛車レクサスに乗って参拝に行きますが、長距離運転にイライラする為でしょうか?帰りに高速を途中で降りて会社に立ち寄り、え~んを小突いてから帰宅する事がお決まり、その日のえ~んは無事定時まで仕事が出来ます(繰り返しますが従業員はみんな仲良く時給)せっかく参拝してもイイ事・ワルい事の±(プラマイ)がマイナスになってしまい、行く意味が無いとつくづく感じてしまいます。
~武蔵野の会社を訪ねる人々が(職場の)生態の微妙な仕組みに十分留意することによって、ブラックでイカレた職場を晒し、いつでも職場の人々をディスってくれるよう願っております~
平林寺境内雑木林
そしてここがある意味、平林寺参拝及び野火止散策のハイライト松平信綱公一族の墓所です。
Wikipediaでは松平信綱の才気あるエピソードが色々と出てきます。
信綱は旗本から幕閣かつ一国一城の主として出世を遂げた松平信綱、島原の乱が起った際には信綱が将として派遣されこれを鎮定しその功によって川越城に転封。
信綱は3代将軍家光、4代家綱の老中として活躍し幕府初期政治の基礎を固め古今の名相とも遍われる一方、郷土の発展につくした功績も大きくのちの小江戸と称される川越の基礎をつくり新河岸川の舟運をおこしたり川越街道の整備なども行っている。
また1655年には玉川上水から野火止用水を引き野火止台地に生活用水を供給、荒野の開発を行った。信綱はこの野火止台地開発とともに所領の野火止村に、菩提寺である平林寺を岩槻から移転させることを切望したが果たせず1662年に逝去した。
初めは岩槻の平林寺に埋葬されたが子の輝綱が父信綱の遺命を守り翌年に平林寺の伽藍および墓石にいたるまで現在地に移建したため改葬されたものである。※現地案内板より一部抜粋
墓石がサッカーボールに見えてしまうのは僕だけでしょうか?
職場である日、15時に一旦中止する作業がありました、しかし誰からも伝言は無く(中止するする事は)知る由も無いえ~ん。社長が「バカ!早くヤメろ」と言い放ちえ~んの目の前に立ちふさがります、また自分の作業を邪魔しに来たと感じたのでしょうか?え~んは右側に上半身を大きく揺らします、社長が動きを阻もうと重心が傾いたところですかさず反転し一気に逆方向に駆け抜けるえ~ん。
あまりにも鮮やかなフェイントに僕は見惚れてしまいました…一方一瞬で置き去りにされぶち抜かれた社長は激怒「お前はバカだよ!帰れ!」の怒号(>_<)
野火上塚
狩猟による野火を見張ったものか焼畑耕法による火勢を見張ったものか定かでないが野火の見張であったとする説が有力、帰らされたえ~んがここで佇んでいる姿を想像するとエ~ンと泣けてくる僕(T-T)
15時の休憩時に裏口でお茶を飲んでると、上着を着て荷物を持った帰り支度のえ~んの姿「何で怒られたのだか分からない」と泣いておりました(ノД`)
上手く説明出来ず「お前のフェイントがキレキレ過ぎた」と言っても伝わらないと思ったので
「とりあえずは明日は元気に来い…」と応えた僕であります(´・ω・`)
臨済宗妙心寺派 金鳳山平林寺
H.P.:http://www.heirinji.or.jp/
住所:埼玉県新座野火止3-1-1
参拝時間:9:00~16:00(最終受付 15:30)
参拝料:大人(中学生以上)500円・小人(小学生)200円
拝観休止:2月1日 ~ 末日・12月31日(除夜の鐘の解放はありません)平林寺は禅修行の専門道場です
・拝観には修行の妨げとならぬよう静粛にお願いします
・修行に関わるエリアの立ち入りを固く禁じます平林寺境内林は国指定天然記念物です。
・ゴミはお持ち帰りください
・食事処、売店、自動販売機はありません