12月26日午前9時51分JR東海道線「掛川駅」に到着、これから天竜浜名湖鉄道に乗り換えて冬にやって来る渡り鳥ゆりかもめに会いに行く僕は今日から長い連休、ローカル線の旅に出発です。
そう言えばこの前「今年はいつまで働くんだ?」とこちらが聞きもしないのに尋ねてくる日雇いバイト最高齢の爺さん(77歳)。返事なんかしたく無かったけど仕方なく「25日まで」と言ったら「たったそれだけか…ケッ!」と吐き捨てるジイサン。
別に誰にも迷惑のかからない日雇い仕事の休みを少しだ早くしただけなのに、怠け者扱いで「ケッ!(゚Д゚)」ですよ!自分の生活圏内ばかりで物事を判断して、異なる価値観を理解出来ない老害、天浜線掛川駅の年季と味がある駅舎を少しは見習って欲しいものです。
〈目次〉
天竜二俣駅転車台ツアー
天竜浜名湖鉄道(天浜線)は静岡県にある第3セクターの鉄道会社、旧国鉄の特定地方交通線であった二俣線を引き継いだ路線です。二俣線は戦争と深く関わっており1935年(昭和10)の開業、戦争によって東海道線の天竜川鉄橋や浜名湖橋が破壊されたり、浜松の中心部の鉄道施設が破壊されたりした時に備えて、中央線に接続する迂回路を設ける国防上の目的があったのです。
二俣線 東海道線を迂回 戦争備え計画:中日新聞しずおかWeb
そして日雇い先の爺は1943年(昭和18)戦時中の生まれで、誕生日は終戦記念日の8月15日。こちらも戦争と深く関わっており、そして無駄に元気に長生きしております。(写真は天竜二俣鉄道歴史館にて撮影)
そんな余計な事を思いながら掛川駅で天浜線フリーきっぷを購入(1750円)
そして天浜線1日フリー乗車券の他にも
・みかんきっぷ(新所原~天竜二俣 1日フリーきっぷ:1430円)
・茶畑きっぷ(掛川~西鹿島 1日フリーきっぷ:1430円)
・天浜線・遠鉄共通1日フリーきっぷ(1480円/天浜線は東西ルートのどちらかを選択)
色々な用途に応じて購入出来ます
お得な乗車券 – 天浜線(天竜浜名湖鉄道株式会社) – 日本の原風景に出逢う旅。
フリーパス購入で「御朱印ブック」or「グルメブック」のどちらを貰えますが僕はグルメを選択、これはとても役に立ちます。駅近・駅構内の美味しい店の紹介で今回食べた場所は全てハズレなし!またこのガイドブックを片手にグルメ巡りをしたい…と切に思う充実っぷり。
8分後の新所原行きに乗車して10時45分に天竜二俣駅到着、そして5分後開始の「転車台・鉄道歴史館」見学ツアーに参加予定のタイトなスケジュール、早くもきっぷ購入売り場で婆さんがモタモタ…ぁぁお札落としてるし(ノД`)
そして駅で待っていたのは地元企業のスズキGSX Katana(オートバイ)のラッピング電車
僕はお隣にあるこの電車に乗車するものとばかり思っておりました
ローカル線に似合わない車内広告
窓には遮光シートが貼ってありハイテク仕様ですがおかげで車窓の写真がクリアに撮れません(>_<)
仕方なしに車両後方で撮影、ハイテク車内とは裏腹に単線の非電化(ディーゼル)路線なのです
無人駅では車内の清算でもう半分バスです💦
いこいの広場駅に到着しましたが
周りの景色全てがいこいの広場に思えます
天浜線は戦争に近づく時期の開業で鉄が不足していた当時の状況もあり、駅舎は木造建築が主体、国登録有形文化財に指定されており、趣きのある駅が多い路線。
そして戦後の貧しい少年時代を過ごした爺を彷彿させる風景(>_<)
掛川駅から46分程で天竜二俣駅に到着
天竜二俣駅「転車台・鉄道歷史館見学ツアー」
開催日:毎日
開催時間:土・日・月・祝日は
10:50~・13:50~の2回/火・水・木は13:50~の1回
料金:250円
集合場所:天竜二俣駅改札
みんなで転車台・歴史館のある場所に出発
ミニトロのりばの利用時間は9時~15時30分
日雇い現場で自分の持ち場に行く途中に思えてしまうのは僕だけでしょうか??
当時使用していた高架貯水槽、ここで蒸気機関車の給水を行っておりました。
レトロな車両区
爺が高度成長期の青年時代に銭湯で素っ裸で寛いでいる姿をつい妄想してしまいます(´・ω・`)
そしていよいよ転車台へ、国鉄時代を彷彿させるキハ20色をしたTH2100系気動車がクルクル回ります。
マニアには堪らないシーンですが、僕には良く分からずボケッ~と撮影。
「たったそれだけか!ケッ(゚⊿゚)」とか吐き捨てる空気の読めない爺が居なくて何より。
「SLと違って前後どちらでも走行可能の車両にどうして転車台が必要なんだ!」とか理屈っぽい事を言う爺さんがいるかもですが、車両の整備や洗車等で転車台は必要不可欠なのです。
ガイドさんが語る、天竜浜名湖鉄道はボンビーなので、もし転車台がブッ壊れたら買い替えるお金が無いエピソードが心に染みました(T_T)
写真正面水色のボロ機械はもし壊れた際の代替部品でJR九州から貰ったみたい(ToT)
続いての「鉄道歴史館」は国鉄時代の昭和ワールドが全開
爺は未だにJRを国鉄とか言いそう…
何の機械だかサッパリ分かりません…
懐かしポスター
ツアー時間は30分程、250円で貴重な体験が出来て大満足のツアーです。
ツアーの後は昼食、始発で普通列車を乗り継ぎここまで来た腹ぺこの僕は駅前の定食屋へダッシュ。
注文はモチロン天浜線転車台カレー(950円)フロント部分のシール(?)はデンプンなので食べられます。
一見イロモノのマズカレーと思うかもですがそんな事はありません。マイルドながら若干スパイスが効いた味わいで、腹ぺこ旅行中にとても合う一品、そしてライスに埋め込まれた(窓部分の)ベーコンが地味に美味しかったのです。
THR号で天竜川と気賀関所を越えて
再び天浜線に乗りました、今度はオーソドックス車両でTHRのロゴが痺れます、もうTHR号と勝手に命名。
やっぱりこちらの方がローカル線っぽくて落ち着きます、窓もクリアだしこっちがイイ(・∀・)ノ
路線内ハイライトシーンのひとつ天竜川越えは二俣本町~西鹿島間
写真がちょいと斜め…あわてて撮ったもので(言い訳)
河川の増水時にデンジャラスな家がポツポツとあります(>_<)
興味深々の駅名「フルーツパーク駅」今回は時間の都合上、途中下車とフルーツパーク訪問は断念。
またね…フルーツパーク(;_;)/~~~
途中下車したのは井伊直虎ゆかりの地「気賀駅」2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」で注目された駅でもあります。
井伊直虎は徳川四天王の井伊直政の養母
1565年(永禄8年) 龍潭寺南渓和尚の計らいで次郎法師はその後見人として井伊直虎と名乗り、女領主として井伊家を支えた。井伊谷徳政令にみられる政治手腕は優れており、歴代当主に記名はないが井伊家受難の時代を救った女領主として後世に語り継がれる人物である。
身を隠していた直政を1575年(天正3年)浜松城主 徳川家康公に仕えさせ、出世を見届けた直虎は、1582年(天正10年)8月26日、激動の人生に幕をとじる。
女性の逞しさを感じてしまう井伊直虎
ちなみに日雇い現場でも「また来ますよ」と一見好印象の女性バイトSさん「また来るってさ!」とか鼻の下を伸ばして浮かれている常連の日雇いオヤジ達ですが、彼女は周りからお金を借りて踏み倒す常習犯、場所と人が流動的な仕事だからやり易い事もあるのでしょう。
「また来ますよ」と言って餌をまくSさん、誰が一番たくさんお金を貸すのか気になって仕方ありません…彼女も違った意味で女性の逞しさを感じます。。
駅徒歩3分の場所に気賀関所があり、入場(入所)料金は150円。
気賀関所
江戸時代、細江町を東から西に横切っていた街道を、本坂行道、姫街道などと呼んでいた。姫街道の要衝地であった気賀上村に、徳川家康は早くから関所を設けて「入り鉄砲と出女」の監視を中心に、通行す人々や荷物の取調べを行った。
その後、箱根にも関所が造られ気賀関所は、箱根関所・今切(新居)関所とともに、東海道の三関所といわれ明治二年まで続いた。
浜名湖佐久米駅のゆりかもめ
そして今回のメインスポット浜名湖佐久米駅へ、ゆりかもめは渡り鳥で冬の期間だけ浜名湖に飛来します、ホームにはたくさんのゆりかもめと見物客。
シーズンは11月~3月ですが、そのうち最も気温の下がる1月下旬~2月上旬がカモメ飛来のピーク。寒さが厳しいほどカモメは集まるので防寒をしっかりして寒い日をねらいましょう!
10:33・10:54・14:28・14:50の1日4回、電車の時間に合わせて佐久米駅の駅長さんによる餌付けが行われています。
「今日から長い連休だね(オレは29日まで働くけど)」
「来年(仕事始めの日)は日雇いなんに~ん?」
「(年内の勤務は)たったそれだけか…ケッ!」
「(鼻の下を伸ばしながら)いやぁ~好きになっちゃってさ」
「(マジメに作業する人を尻目にサボりながら)ガッハッハ~」
「(お金を借りに)また来ますよ」
そんなマヌケな日雇い連中の今年の流行語(?)が頭の中でリフレインしてしまいます(x_x)
撮影後は駅構内の喫茶店「カトレア」へ行き、湖畔で少し遅めのランチを頂きました。
メニュー
焼肉定食を注文(950円)僕には少し量が少なめでしたがオーソドックスな生姜焼き、旅行先では落ち着ける味がとてもイイですね。
そしていつまでも居たくなってしまう店内
そして窓の外ではゆりかもめがギコギコ鳴いております「また来ますよ」心の中でつぶやき店を後にしました。(僕の場合は純粋にまた来ますなのです(`ε´)ノ)
ラストの途中下車は「都筑駅」駅構内は手づくりパンの店「メイポップ」パン屋と一体化した駅舎。
夕方の時間帯で残念ながら種類が少なめでしたが、かわいいクリームパンとチーズ入りのフランスパンを購入、店内のイートインコーナーでコーヒー(120円)を飲みながら寛ぎます。
天浜線のキャッチコピー「日本の原風景」という言葉が相応しい景色をぼ~っと眺めておりました。
本日最後の天浜線に乗車すればローカル線の旅ももうすぐ終わり、車窓から見える夕暮れの浜名湖がドラマチックに演出。
終点の新所原駅に到着した頃には空は暗くなりかけておりました
「今度一緒に天浜線に乗りましょう!」日雇い女性バイトのSさんからそんな言葉をかけられて有頂天になり「まだまだ若い者には負けん!」と駅構内のうなぎ店でスタミナをつける日雇い爺を妄想してしまいます。。
そして爺とSさんは一緒に乗車
Sさん「(貸してくれるお金って)たったこれだけか…ケッ(゚⊿゚)」
爺「ショボン…(ノД`)」