持病の痔が悪化して1週間仕事を休んでいる日雇いバイトの「梅ちゃん(あだ名)」長時間の作業が出来ずに座りっぱなしも駄目らしく気ままな電車旅なんぞ夢のまた夢。。
そんな梅ちゃんにピッタリの路線が成田空港の近くを走る「芝山鉄道」わずか2駅だけの全長2.2kmのとても短い路線。所要時間はたったの3分なので、座ってお尻から血が出る事もないでしょう。
〈目次〉
「東成田駅」かつての空港ターミナル駅が今では廃墟同然の怖いホラー駅
短い路線は様々な解釈があって意見が分かれる話題ですが、普通鉄道における一事業者の保有総延長としては日本最短の芝山鉄道。
成田空港が建設される事で不便を被る地域の住民や企業への補償として鉄道建設を約束し、1981年(昭和56)に会社が設立しました。ですが成田新幹線の廃止の影響や計画ルートに空港反対派の土地があったりで建設は難航し、開業したのは21年後の2002年(平成14)「東成田駅~芝山千代田駅間」が開業する今更っぷり全開の路線。
芝山鉄道の起点は京成電鉄も乗り入れする「東成田駅」この駅は1978年(昭和53)に成田空港旅客ターミナルビルの最寄り駅「(旧)成田空港駅」として開業、当時は国鉄が成田新幹線を建設する計画があり、京成電鉄はこの駅から先に駅を造る事が出来ませんでした。
空港から微妙に離れたこの駅から空港を利用する当時の乗客は、バスや徒歩で空港ターミナルまで向かっていたそうです。
その後国鉄民営化の影響で成田新幹線計画が廃止、その予定路線がJRと京成の新線となり、ターミナル至近に現在の「成田空港駅」が開業、それに伴ってココは駅名を東成田駅に改称し実質お払い箱状態となってしまいました。
向かい側には今では使われなくなったホームがあり駅名標はかつての成田空港駅と記されておりました、学生時代の良かった思い出を心の中でかき集めながら日雇い仕事を嫌々こなし、職場で噂話ばかりを追い求める梅ちゃんの人生を重ね合わせてしまう栄枯盛衰っぷり。
薄汚れた壁に貼ってあるのであはかつてはここから都心を結んでいたであろう特急「京成スカイライナー」の写真、現在は空港ターミナルビル直下の「(現)成田空港駅」に乗り入れをしております。
この世の果てのような終末感溢れる場所は、心霊現象の噂として「連絡通路で幽霊が出る」「ホームを撮影すると顔認証システムが起動する」とか色々あるみたいですが
ベンチに座っている日雇いオヤジのお尻から血が出ている姿が一番ガクブルです(゚Д゚)コワー
かつてこの駅は当時の京成線の全駅で最大の乗降客数を誇っていた駅でしたが今ではリアル「きさらぎ駅」状態。
何かあった時は駅窓口に駅員さんが常駐しているので助けを求めましょう
そして「空港第2ビル駅」と繋がる500mの地下通路はまるでRPGゲームのダンジョン、延々と続く通路には人の気配はまるでなく所々に監視カメラが設置されております。
地下通路の壁には怪しい観光広告ポスターが貼られていますが、恐らく1990年代のものが当時のまま放置されているのでしょう。
梅ちゃんも1995年に大学を卒業して以来、人生の長い地下通路に潜り込んでしまい未だ抜け出せておりません。
そんな梅ちゃん気分を味わいたいのなら賑やかな空港第2ビル駅から、廃墟感溢れる東成田駅に向かって歩いていくのがよろしいでしょう。
「芝山千代田駅」延伸で揉めた盲腸線の終点
前述の通り地域住民や企業への補償として東成田駅(当時の成田空港駅)から延伸する形で建設を約束した芝山鉄道、昭和の頃に整備場前の仮称だった駅は正式駅名が平成になり「芝山千代田駅」と正式に駅名が決定して現在に至ります。
京成成田から東成田を経由し日中は40分間隔で往復する形で直通運転が行われており、京成の乗務員が芝山鉄道線内も運転します、なので芝山鉄道に所属する乗務員はおらず、運用している3500形は京成電鉄からリースしている車両。
東成田駅からのトンネルを抜け出せば颯爽たる飛行機が並ぶ見所満載の車窓ですが、芝山千代田駅までの延伸には泥沼化した歴史がありました。
路線は途中半径160mの急曲線で迂回しております、理由は当時の路線計画ルートに成田空港反対派の一坪共有地が含まれており、元の地主が一坪共有地の維持を主張していたからです。
土地収用手続が煩雑化する一坪共有地では、地権者が全国841人に及んでいたことで同意の取得が難航し、この場所を迂回するルートへの変更を余儀なくされました。
そしてお尻の痛い梅ちゃんは痔主であり血健者、日本一短い鉄道の終点芝山千代田駅同様に日雇い現場で行き止まりなのです。
盲腸線(起点・終点が他の路線に接続していない行き止まり路線)同様に梅ちゃんの腸も調子がイマイチ
いつかは広い世界に飛び立ちたいのですが梅ちゃんが座る飛行機のシートはお尻の血で真っ赤っか(´・ω・`)