ガサツな性格で人の忠告や意見を全く聞かない職場の日雇いバイトK田君(略名)は、電車の前面展望を動画で見るのが大好き、中でも実家がある常磐線の風景がお気に入りで、運転手気分に浸っているみたい(´・ω・`)
でもK田君は取手~藤代間は電気システムが切り替わる為、ほんの数10メートルにわたって通電していない区間「デッドセクション」があるのをご存知なのでしょうかね??
〈目次〉
常磐線のデッドセクション(死電区間)がある理由
日本の鉄道は車両が比較的安く製造できる直流と、変電所などの初期投資が抑えられる交流があり、運行数が多い首都圏や関西圏は直流で電化されている一方で、本数が少ない東北や北陸地方などは交流電化です。
直流から交流に切り替わる地点は「交直セクション」と言い、架線の継ぎ目には電気の通らない短い「デッドセクション(死電区間)」が存在します。
比較的首都圏に近い場所に列車運用や大量輸送の障害となるデッドセクションがある理由は、常磐線沿線に近い茨城県石岡市柿岡に地磁気観測所があるためです。直流電流は常に一定方向の磁場を作り出して観測の際に正確な数値を測定できません、一方交流電流は周期的に極が入れ替わり磁場を打ち消すので観測への影響が少なくなります。
地磁気観測所の半径35km以内は直流では走行できないので、JR水戸線(友部~小田林)・つくばエクスプレス(守谷~みらい平)にも交直セクションがあり、さらには地方鉄道としては比較的本数の多い関東鉄道常総線は未だに非電化です。
画像引用先:常磐線の運行本数が「取手で半減」する複雑な事情 地磁気観測所と鉄道電化の長い「攻防」の歴史 | 通勤電車 | 東洋経済オンライン
常磐線の交直流切り替えを担う藤代変電所
デッドセクションの交流(藤代)側にある「JR東日本藤代変電所」は交流20000V・直流1500V両方の電力を供給しております。
現在は取手~藤代間を通過する交直両用電車は全て自動切り替えで、運転士はちゃんと切り替わるか確認しており、万が一自動や手動でも動作しない場合は、運転席上にある非常パンタ下げを行って電流をシャットアウト。
交流から直流で切換を失敗すると車両の交流回路にダメージが及び交流区間で走行不能になってしまいます、一方直流から交流では切換に失敗してもスイッチを再操作すれば一応は大丈夫らしいのですが、いずれにせよ直流冒進は運転士にとって致命的なミスで緊張の走る瞬間、常磐線の場合は藤代から取手に向かう車両(上り)がこれに該当します。
先日K田君は職場で致命的なミスを犯し責任者から大目玉を喰らってしまいました…周りが見てなきゃ言わなきゃ勝手にやっても大丈夫という浅知恵だったのでしょうが、事が大きくなってしまうと「僕はどうすればイイのでしょうかね?」と周りに泣きつく始末。。
走行不能になってしまう車両同様にK田君も只今絶賛連休中なのであります。
藤代駅から約1.3kmの地点にあるデッドセクション
藤代駅から約1.3kmの距離にあるデッドセクションは、旧水戸街道「旧陸前浜街道踏切」の先(取手方面)にあります。
赤と白のゼブラ模様がデッドセクションの標識、国道6号旧道の県道208号近くにあって周辺は住宅街。
異なる電流を一緒に流すのは危険な事であり、一定区間で電流の供給を止めてその間に電流を変える為の死電区間、通過中はモーター音は殆ど聞こえずに際立つのはレールの摩擦音。
かつてこの区間では車内の室内灯が消えて停電状態になったのですが、今の車両はバッテリーを搭載しており、切り替え中も室内灯が消えない仕様になっております。
この区間は数10メートルなので列車は走ってきた勢いそのまま惰性で通り抜ける事が出来ます、しかし2010年に常磐線試運転中の列車がデッドセクションを通過中に故障し立ち往生、後続の貨物列車に救援された過去もあります。
デッドセクションには一応架線がありますが絶縁体で作られております、K田君が職場の皆さんから絶縁される日もそう遠くないであろうと思わせる風景。
作業中に誰も見ていないからと惰性でやり過ごしたりつもりが立ち往生、つくづく常磐線運転手にならなかった(正確にはなれない)K田君に、ホッと胸をなで下ろす場所でもあります。
ミスをしても「あぁ~そうでした~」と大声を発して誤魔化せばイイと思っているガサツで人の話を全く聞かないK田君。
ですがいつまでも同じ過ちばかりを栗かえして馬鹿りいると職場を永久追放になるかもしれません。
K田君「僕はどうすればイイのでしょうかね?」(ノД`)トホホ…