職安通りと小滝橋通りが交わる北新宿百人町交差点、かつて僕はこの周辺にあった広告代理店とは名ばかりの折込チラシを制作する会社に勤めておりました。
JR大久保駅からこの怪しい小路を通って毎朝会社に通ってましたが3年程でバックレ退社です(´・ω・`)
久しぶりに訪れてみましたが、あの頃は無かった台湾のお寺「東京媽祖廟」がこの小路の怪しい雰囲気を一層引き立てておりました。
会社で同僚だった「一茶くん(仮名)」がよく上司と一緒に食べていた中華料理店はケバブ屋に変貌、思い返せば一茶くんの上司は仕事を貰う見返りとして、担当者の個人口座に売上の一部を振り込む「裏金キックバック上司」。
「筋を通す」とよく言っておりましたがやる事は全然違う裏金上司、彼の行きつけのバーは牛すじカレー店になっておりました。
時の移り変わりを感じる小路ですが、1995年創業の「長寿庵」はいまだ健在、麺好きの一茶くんを唸らせるかえしの効いたツユと腰のある麺が特長の立ち食いそば風の座り食いそば店。
座席はカウンター6席、メニューは8種類でうどんorそば・温or冷を選ぶ事が出来ます
そして何よりの魅力は店主の人柄、あの頃裏金仕事でささくれ立った心の一茶くんを温かいそばと接客で出迎えていた店なのです。ちなみにこの場所で店を構えるまでの青年期の話がこちら
かけそば260円をはじめ料金は当時とあまり変わらない値段で一番高い天玉そばでも400円、今のご時世で大丈夫かな?と心配になってしまうレベルです。
一茶くんがお気に入りだった天玉そばを注文、中太の茹で麺は腰があってパツパツとした歯切れもよく、モッチリした食感、そんな麺によく絡む濃いめで少し甘味のあるツユ。
天ぷらは固くガッチリとしていて食べるのに難儀しますが、そんな時はツユに浸して柔らかくしてから食べましょう。
玉子の黄身のようなピュアな心を持って入社した一茶くんでしたが裏金上司のキックバックを知り徐々に心が追いつめられていきます。
裏金上司が賄賂で仕事を貰えば関連会社に仕事を振って不当な報酬を受けていた事を知り、一茶くんは心が潰れそうになってしまいます。
上司「いいか!一茶!仕事をくれる人がいい人なんだ!」
一茶くんの心はついに潰れてしまいました(ノД`)
「天玉そば」は黄身を潰してツユと混ぜた方がマイルドな味わいになります
思えばこの店に裏金上司が来る事は殆どありませんでした…やはり闇落ちした上司にとってライトサイドで実直に仕事に励む店主は眩し過ぎたのでしょう。
夏場の一茶くんのお気に入りは「冷やしたぬきそば」天かすに小エビが入っており、麺もツユも冷やしにすればよりストレートな味わいが楽しめます。
裏金上司は関連会社から不正な報酬を貰っている事を、社長にやんわりと指摘された事もありました。
上司「社長!私は実直な人間なんで変化球は無しでストレートで話をして下さい!」
「冷やしたぬきそば」はツユにワサビを混ぜた方がピリッとした味わいになります
今では会社は無くなってしまいましたが、長寿庵はこれからも長く店を続けて欲しいものです。
「変化球は無しでストレートでお願いします」(・д・)
長寿庵
住所:東京都新宿区百人町1-24-8
電話:03-3362-3037
営業時間:月曜日~金曜日7:30~16:30・日曜日・祭日9:00~16:30
定休日:土曜日