料理の嫌いなウチの母の得意料理はスーパーで買ってきて皿に移すだけの刺身定食をはじめ色々とありますが、しらす丼も結構な頻度で食卓に出てきておりました。
鮮魚好きの母は今でもシラスは白い魚だと思い込んでいますが、釜揚げの段階で白くなるのであって元々の生しらすは透明なのです。
そんな無知な母にウンザリしながら向かった先はしらすの漁港で名高い「田子の浦漁港」でした。
〈目次〉
・しらすって何の魚?
食されているしらすはイワシの稚魚で透き通った透明な体をしています。これは大きな魚から体を隠す為で成魚になるにつれ銀色がついてきます
・何で白いしらす?
しらすは加熱すると白い色に変わります、生しらすは傷みやすいので塩分を含んだ熱湯で茹でて、ある程度の保存に耐えれる加工を施したの釜揚げシラス、水分率が多い順に釜揚げシラス・シラス干し・チリメンジャコと呼ばれています。
・しらすの漁期は?
しらすの漁期は3月21日~1月14日で田子の浦漁港では漁期中は生しらすを購入したり漁協食堂で生しらす丼を食べたり出来ます。
・田子の浦のしらすが美味しい理由は?
田子の浦のしらす漁は一艘の船が魚群の周りで円を描くように網を流し魚をすくい上げる「一艘曳き」という漁獲法、通常の二艘曳きに比べて漁獲量は少なくなりますが、網を曳く時間を短くすることで、しらすを傷つけることなく鮮度を保ちながら素早く水揚げできるのです。
「田子の浦漁協食堂」へのアクセス
殆どの客は車でのアクセスです、一応JR東海道線「富士駅」・JR東海道新幹線「新富士駅」からのバス便がありますが1日8本のみ運行で時間を合わせるだけで一苦労。
仕方なく僕はJR東海道線「吉原駅」から30分ほど歩いて向かいました
漁港までの道のりは工場と倉庫だらけでテンションただ下がりの景色(>_<)
明日行く日雇い現場みたいな建物(T_T)
春先は仕事に干される日も多く富士山に向かって叫びます「来週の日雇いなんに~ん」
工場の煙とかつてのヘドロ公害のイメージもあってか何だか臭っている感じがする海
本当に美味しいしらすがあるのでしょうか??
平日の「田子の浦漁協食堂」は30名の行列
ようやくたどり着いた田子の浦漁港には頻繁に車が入っており、先週の由比漁港でかき揚げ丼を食べ損ねた失敗を思い出し一抹の不安がよぎります。
急いで食堂に向かいました
早朝に水揚げしたばかりの場所で食べる食堂は屋根はありますが壁は無く、春先は優しい風がふきとても気持ちよい場所。
行列に加わった時間は12:30で30名位の並び、もっと早く来れば良いのでしょうが、埼玉県在住の僕は日の出と一緒にスタートしなければなりません。。
平日でも行列のメニューは売り切れ次第終了で、従業員さんの話だと13時過ぎ頃には全て終わってしまう事も多く早めの訪問が望ましいでしょう。
~メニュー~
海鮮丼(当日オススメの刺身丼)1100円
紅白丼(釜揚げしらすとマグロ)1000円
赤富士丼(特製醤油タレに漬け込んだしらす沖漬け)1000円
日本一丼(大盛しらす丼)1800円
ぷりぷり生しらす丼900円
券売機の前で迷わない様に事前に注文する品を決めておきましょう
ぷりぷり生しらす丼(大盛)1000円を注文
自動券売機で注文する品の食券を購入して
食券に記されている番号が呼ばれるまで席に座って待つセルフ方式のオーダー
お冷やと静岡茶は嬉しい無料サービス
5分程で食券番号が呼ばれいよいよ生しらす丼とご対面
始めは何もつけずに次は少しだけ醤油をつけて食べます、朝捕れでせり競りが行われた場所で食べるしらすはとても新鮮。
早朝に水揚げされたしらすをお昼に食べる贅沢に思わず「うま~い」と叫びながら食べました、その日の漁の成果が分かるウェブサイトはこちら(↓)です
思い返せばスーパーで買った安物のちりめんじゃこに、醤油と大根おろしをたっぷりかけて食わせる母親の作った(?)しらす丼は一体何だったのでしょうか?
「火を使わずに電子レンジで調理するのがモダンなスタイル」と母が言った直後に電子レンジがぶっ壊れた事を今でも覚えております、それからはガス台無しレンジ無しのそのまま出せる食材ばかりが食卓に並ぶ様になりました。
母が出すしらす丼とは雲泥の差
料理の嫌いな母親でしたが息子(僕)の受験にはとても熱心で一流の学校に入学させて一流の会社に入社させる事を目論んでおりました、しかしそんな期待は大きく外れて今の僕は日雇いアルバイト、作業人員が少ないと永遠に続くゴールデンウイーク。
海に向かって叫びます「来週の日雇いなんに~~ん」(ノД`)
田子の浦漁協食堂の西側の道は「富士山しらす街道」
漁港から西に続く県道は、特産品の「田子の浦しらす」を食べられる店や販売店がある「富士山しらす街道」の愛称で親しまれています。
イラスト引用先:富士山しらす街道 静岡県富士市田子の浦のしらす
ですが殆どの店が一度入ったら買わなきゃ気まずい小じんまりとした店ばかり
ココなんて絶対入るのは無理(>_<)
そんな中で「しらすの八幡」は食堂あり売店ありの比較的入りやすい店
隣は加工する工場ですが僕には来週行く日雇い現場に見えてしまいます
仕事が終わり隣のコンビニで「今日のオレは大活躍だった」と延々と自慢話をする民度の低い日雇いバイトが屯(たむろ)するのでしょうか?
僕にとってはここは日雇い街道
そんな事を妄想しながら「しらすの八幡」に入ります、八幡は生しらすを買付後すぐに加工センターへ運び熱湯でさっと茹で上げる地の利を生かした鮮度のある美味しいしらすなのです。
母にしらすを買っていこうかと思いましたが、帰りの電車賃が足りなくなってしまうので断念しました。
富士山にむかって叫びます「来週の日雇いなんに~~ん」(ノД`)
田子の浦漁協食堂
住所:静岡県富士市前田字新田866-6
電話:0545-61-1004
H.P.:https://tagonoura-gyokyo.jp/
営業期間:4月1日~11月30日[月~日]
営業時間:10:30~13:30(売り切れ次第終了)
定休日:お盆(8月13~16日)・しらす祭り(9月22・23日)の日は休業